やっと映画「オリエント急行殺人事件」を見ることができました。2015年にテレビ化…どころか映画版もいくつかあり小説だってあるにも関わらず、「いつか見よう」と思って過ごすうちに時間だけが経ち…。だからもちろんオチも知らず…。やっと見ることができたのですが…。
結論「見て良かった」
これに尽きます。見て良かったです。幸せな1時間54分でした。できれば書籍版はもちろん他映像作品(映画・ドラマ問わず)も目を通したいですね。
目が喜ぶ映像の数々に感動
映像作品の醍醐味ですよね。たとえば…
- 人々の髪型や服装
- バーカウンター
- フライパンから火が吹き出るキッチン
- セットされたナプキンやお皿(「これから美味しい食事が運ばれてくる」ワクワク感がありました)
- 出発する列車を見送る人々
- 雄大な自然と雪に囲まれるオリエント急行
- 寝る部屋のチープさ(結構ツボでした)
- ラスト直前の解明シーン(壮観でした)
人物の描き方だけは少し物足りなかったかも…
数人ほど「あれ…この人どんな職業で何て名前だったっけ…」とはなりました。
映画冒頭は違う事件が、そしてしばらくしてオリエント急行殺人事件の本編になっていくわけで。いってしまえば1時間54分のなかですべて収めなきゃならない。
そうなると、事件に関わった人々の姿(性格や話し方といった表面的な部分だけでなく心中といった深い部分)を描ききるには時間が足りないのかな…と。
仕方ない…とは思ったもののもう少し全員の心にある深い部分まで知りたかったなー…とは思いましたね。
どういう人がどんな人間なのか浮かぶ
私は、まだ数冊とドラマ化を数本見ただけのアガサ・クリスティ初心者ですが「人間の描き方」に感銘を受けています。
いくつか読んで思いましたが、登場人物の名前はぶっちゃけて言えば馴染みのないものばかり。海外の人ですもんね。
でも読んでいるうちに「その人がどういう人なのか、性別や服装といった外見や属性だけでなく、どんな風に話して動くのか、表情はどうか」といったイメージが浮かぶんですよ。
そして事件が起こり謎が解かれていく最中、「なるほど!このAさんはそういう思いがあって○○なことをして××になったのか…」などとなるわけで。ただ「Aさんが○○なトリックで殺しました・殺されました」というわけではないから心に残る感情の種類も大きく、記憶にもしっかりと残るんですよね。
トリックと結末(ネタバレなし)
結末は正直、何も知らずに見ていても薄々気づいてしまう形でした。でも全く気にならなかったです。そもそもアガサ・クリスティが「オリエント急行の殺人」をリリースしたのは1934年だそう。
それから数え切れないほどの書籍やマンガ、映像作品としてミステリーがリリースされていることを考えれば、どこかでヒントになる事柄に触れて何となく思い至ってしまった…という可能性は高いんですよね。
それよりも今から80年前にこのトリックや結末を思いついて執筆している凄さに私は感動しています…。
見終わったあと結末に対しての意見を調べた
何というか賛否両論のような印象を受けましたね。ただ私個人としてはこの結末はアリだと思っています。
今回見た映画ではあのポワロがなぜそんな思いに至ったのかなどが深く描写しきれなかった印象があります。だから「私のなかの想像が大きい」部分も加味していますが、それでも「悩んでこうしたのだろう」と思ったんですよ。
ネタバレにならないように書くことは難しいのですが、何というかこれも「人間味」に近い結末なのでは?と。そんなことを思いました。
|